探究科
探究科
本校は、平成29年4月から「探究科」を開設しました。探究科とは、知識・技能の確実な習得に加え、発展的な教科学習や課題解決を図る学習に取り組むことにより、思考力・判断力・表現力を高めることを重視する学科となっています。
探究科では、「人文社会科学科」と「自然科学科」の2学科を一括で募集します(くくり募集)。なお、2年次から2学科に分かれます。
令和6年度 生徒研究成果発表会(2月8日)
発表用ポスター
探究科台湾海外研修レポート後半です。四日目は班別自主研修でした。課題研究班単位で大学生についてもらいながら、自分たち立てた行動計画を基に台北市内を自由に行動しました。「日本台湾交流協会」を訪問し外務省の職員の方からお話を伺った班もあれば、大学を訪問して大学生にアンケートを取った班もあり、「課題研究に資する見学をする」という目的を果たしていました。最終日は故宮博物院を訪問しました。歴史の教科書に載っている文物の実物を見ることができ、特に歴史好きな生徒は大変興味を持って見学しました。事後アンケートでは「班別自主研修」と「新荘高級中学訪問」が印象に残った研修先のトップ2でした。海外の学校生活の体験がとても新鮮だったこと、バディや大学生たちと言葉の壁がある中でもなんとか意思疎通を図ろうと頑張ったのが楽しかったこと、慣れない海外でも自分たちの意志でやりたいことができたこと、などが主な理由でした。多くの生徒がこの海外研修を通して経験の幅を大きく広げてくれたことと思います。
12月10日(火)~14日(土)の5日間、探究科2年生が台湾で海外研修を行いました。一日目は到着後、忠烈祠や、中正紀念堂を見学しました。
二日目は午前中に歴史コース・サイエンスコースに分かれてコース別研修を実施しました。歴史コースでは日本と台湾の歴史について語り部から日本語でお話を聞いた後、台北市街に出て日本統治時代から残る歴史的建造物について説明してもらいながら街歩きをしました。サイエンスコースでは台北近郊の新竹サイエンスパークに行き、半導体など台湾の先進技術を見学しました。午後からは十份、九份に行きました。十份では赤い天燈に願い事を書き、成就を祈って空に飛ばしました。「千と千尋の神隠し」の着想のヒントとなったと言われる九份では異国情緒あふれる街並みの散策を楽しみました。
三日目は台湾高速鉄道で高雄市に移動し、姉妹校の新荘高級中学を訪問しました。事前に新荘高級中学の生徒と一対一のバディを割り当てて、数回に渡るメール交換をして友達になっていましたが、当日はバディと一緒に昼食を食べ、5、6時間目の授業を共に受けました。宇部高生が共に授業に参加できるよう様々な工夫をしていただき、短い時間ではありましたが、大変内容の濃い、充実した時間を過ごすことができました。
10月26日(土)探究科2年生地歴公民B班は、竹あかりイベント「ときあかり~竹の灯りと音色の夕べ~」を主催しました。「宇部市ときわ公園にぎわい創出事業」でもあるこのイベントは、地域資源を利用し、「自然にやさしく、人にもやさしい」ライトアップ事業をおこなうことで、山口県、宇部市、民間企業、高校生、文化団体、個人、飲食業を結びつけ、竹の利活用を図るとともに、地域のにぎわいを創出し、SDGs12(つくる責任、つかう責任)とSDGs11(住み続けられるまちづくりを)の実現をめざすものです。当日は、年代を問わず多くの方々に来ていただき大盛況でした。各方面の方々には大変お世話になりました。ありがとうございました。イベント後、使用した竹は、エシカルバンブー(株)にて環境にやさしい製品に生まれ変わります。
11月3日(日)宇部まつりキャンパス広場に探究科2年生の音楽班、地歴公民B班、保健体育班が出店しました。地歴公民B班は、10月26日(土)にときわ公園で行ったイベント「ときあかり」でも展示した、竹害について説明するポスターを展示しました。音楽班は、参加者に手作りカスタネットを作成してもらい「おもちゃのチャチャチャ」を一緒に演奏したり、ペットボトルを使って自分たちで作成した楽器を演奏してもらったりしました。体育班は、「フライングエッグ」「100cm走」「瓦そびー」などの「ゆるスポーツ」を参加者に楽しんでもらいました。親子連れの参加者が多かったのですが、たくさんの方々が宇部高生と共に音楽やスポーツを楽しんでくださり、笑顔あふれる一日となりました。
10月13日(日)探究科2年生地歴公民C班が防災イベント「みんなでレゴぼうさい」を主催しました。「宇部市SDGs私たちの未来共創補助金」の事業でもあるこのイベントでは、広島大学准教授の小口悠紀子先生のご指導の下、レゴブロックをコミュニケーションツールとして用いながら日本人と外国人が共に防災について考える活動が展開されました。43名の参加者のうち、20名弱が外国の方で、ケニア、アフガニスタン、ラオス、ベトナム、インドネシア、中国、イタリアなど様々な出身国の方々と共に活動することができました。
レゴロックを用いた様々なグループ活動を通して、日本人と外国人のコミュニケーションが促進されていき、活動のクライマックスで理想の避難所を作る段階では、同じグループの日本人と外国人が疑似的に同じ共同体のメンバーであるかのように感じられたと思います。異文化間コミュニケーションを促進しつつ、防災の知識も身につく、大変有意義なプログラムでした。小口先生、大変ありがとうございました。
9月18日(水)に探究科2年生の課題研究の中間報告会である、「秋季生徒研究発表会」が行われました。本校の特徴は探究科だけでなく普通科1,2年生の生徒も聴衆として発表会に参加することです。探究科2年生は1,2年生の全教室を巡回して1班につき3~4回の発表と質疑応答を行いました。聴衆となった生徒からは「自分が今まで疑問にも思わなかったことなどを研究していて新しい世界でとても面白かった。」「課題の見つけ方や興味をもつ点が面白く、自分の探究活動にも生かしていきたいと思った。」などの感想が寄せられ、多くの刺激を受けたことが伺えました。発表した探究科2年生の生徒からは「積極的な質疑応答ができて探究活動としてもワンランク上のレベルまで上がったと思う。」などの声が寄せられ、発表を通して多くの班が探究活動を推進できたと感じているようでした。また、探究科2年生の現時点までの探究活動に対する振り返りとして95%の生徒が「課題研究の取組は充実している」と回答しており、その理由としては「一時期は探究が停滞することがあったものの、その後1つアイデアが出たらどんどん新しいアイデアが出ていったことが嬉しかった。」「活動しては改善点を見つけ次につなげることができているから。」などがあり、試行錯誤を繰り返しつつも前進しようとする力を感じて頼もしく思いました。「課題研究の取組は充実していない」と答えた少数の生徒の理由は「思ったよりも研究に穴があったから。」などで、自分たちの研究を冷静に判断している様子が伺えました。様々な意味で学びの多い発表会でした。
10月13日(日)午後1時30分より、探究科2年生地歴公民C班が「みんなでまなぼうさい」シリーズ第4弾として「みんなでレゴほうさい」を開催します。今回は広島大学准教授の小口悠紀子先生を講師にお招きし、レゴブロックを用いてコミュニケーションを取りながら、外国の方も日本の方も大人も子どもも共に防災について考えるイベントにしたいと思っています。災害時には年齢や国籍に関わらずお互いに助け合うことが必要になってきます。そのような場面に備えて、初めて会った人と楽しくコミュニケーションを取りながら一緒に防災について考えてみませんか?皆様のご参加をお待ちしています。お申し込みは下のリンクまたはQRコードから申込フォームに入っていただくか、宇部高校までお電話でお願いします。お電話でのお申込は平日午前8時半から午後4時半までの間にお願いします。
申込フォーム https://forms.office.com/r/XkDVxFswRS?origin=QRCode
宇部高校 電話 0836(31)1055
探究科2年生地歴公民C班は、5月22日、7月17日のイベントに続き、8月24日に上宇部地区の子ども食堂「エール」にて3回目の防災イベントを開催しました。今回は「食」に焦点を置き、まずは宇部市から譲り受けた賞味期限が近付いている災害備蓄品のアルファ米の炊き込みご飯の試食を行いました。あわせて、アルファ米のパックにお湯を注いで、出来上がりを待つ間に、牛乳パックからスプーンを作る体験も実施しました。また、「非常食」と「災害食」の違いや、どちらもストックしておくと良いことなどを生徒から参加者の方々に伝えました。「エール」には災害時の避難所としての機能もあり、非常食や災害食、水、非常用トイレ、懐中電灯、防災ラジオなどが備蓄してあります。それらの災害備蓄品の展示もさせていただきました。アンケート結果からは災害時の行動を家族で決めている家庭が少ないことが分かりましたが、今回の活動を機に、各ご家庭で防災について話し合い、災害に備えていただけたらと思います。
探究科2年生国語B班(音楽班)が、上宇部会館で、身近なもので楽器を作って演奏するイベント「手作り楽器で演奏会」を行いました。国語B班は、音楽の楽しさの幅を広げることをテーマに研究を進めています。前回の上宇部小学校でのイベントの反省を生かして改善し、今回は6才~70代という幅広い年齢層の16人と一緒にヘアピン、かまぼこ板、ストロー、風船などを使って、カリンバや笛、太鼓をつくりました。参加者の皆さんから「こんな音が鳴るのは予想外だった」など驚きの声が上がり、さらに作成した楽器や演奏方法に独自の工夫もみられ、大変活発な活動となりました。
御協力いただいた皆様に感謝いたします。
探究科2年地歴公民A班は平和について考えることを目標として活動しています。8月16日(金)に宇部市・小野田市の中学生17名を対象に「貿易ゲーム」を本校にて実施しました。今回が2回目の実施で、ヨーロッパにおける第二次世界大戦を題材とし、列強国、植民地等立場の異なる役割をロールプレイすることによって、資源を保有する地域をめぐる争いや、戦争につながる要素を疑似体験し、平和について考えてもらいました。
参加者からは、「ゲームをしながら、周りの国の状況をよく見たり、どうしたら平和になるかを考えられたのでよかった」「世界情勢を学ぼうと思うきっかけになった」「2回目の参加でより深くゲームや平和について考えることができた」などの声が寄せられました。
探究科2年生体育班は、継続した生涯スポーツへの参加(取り組み)の一環として、7月29日(月)に地域の放課後子ども教室・上宇部GOGOチャレンジくらぶの児童23名を対象に「ゆるスポーツ」を実施し、交流を深めました。「ゆるスポーツ」とは身体能力にかかわらず、幅広い世代が気軽に取り組める運動として近年注目を集めているスポーツです。準備運動で体をほぐした後、4グループに分かれて「せんたくテニス」「瓦そびー」の2種目を実施しました。参加者の方からは「2人で息を合わせてボールをキャッチするのが難しかった。夏休みが終わったら、友達と一緒に学校でもやってみたい」などの声が寄せられました。
探究科2年地歴公民A班は平和について考えることを目標として活動しています。7月17日(水)に本校へ上宇部中学校から希望する生徒を招き、「貿易ゲーム」を実施しました。「貿易ゲーム」では、第二次世界大戦時のヨーロッパにおける、資源を保有する地域をめぐる争いをロールプレイすることができ、ゲームの体験から平和について考える機会となりました。
参加者からは、「ゲームで楽しみながら平和について考えられた」「今までは戦争後について考える機会が多かったが、今回は発生源について考えることができてよかった」などの声が寄せられました。
探究科2年生地歴公民C班は「宇部市SDGs私たちの未来共創補助金事業」に採択され、SDGsゴール11「住み続けられるまちづくりを」とゴール17「パートナーシップで目的を達成しよう」の達成のため、地域の方々に防災の知識を身に付けてもらうことと、イベントを通じて地域のコミュニティ作りに貢献することを目的とした課題研究を展開しています。5月22日(水)の小学生対象のイベント「みんなでまなぼうさい」に続き、7月17日(水)に成人の方を対象に第2弾のイベントを開催しました。今回は上宇部地区の13人の参加者の方々と「マイタイムライン(災害時の自分の避難計画)作成」「避難生活で健康を保つための体操」「新聞紙と牛乳パックによる食器作り」「非常食試食会」などを行いました。非常食は宇部市の災害備蓄品から賞味期限が迫っているものを譲り受け、新聞紙や紙パックなどで自作した食器を使って試食体験をしていただきました。参加者の方からは「高校生が地域のことを考えてくれていることに感心した。このような機会があればまた参加したい。」などの声が寄せられました。
理数探究の授業で国語B班が、上宇部小学校の、放課後児童クラブ「上宇部Go!Go!チャレンジくらぶ」 で、身近なものから楽器を作る取組を行いました。国語B班は、音楽の楽しさの幅を広げることをテーマに研究を進めています。今回は小学生と一緒に紙コップ、ストロー、牛乳パックを用いてギターや笛、カスタネットをつくりました。児童の皆さんからは、新しいアイディアも飛び出し、大変活発な活動となりました。
御協力いただいた関係の皆様に感謝いたします。
山口大学工学部において、基礎探究の一環としての教養セミナーが開催されました。開講式の後、感性デザイン工学科の三浦克弘教授の「室の『温度』を知る」、電気電子工学科の村田英一教授の「身の回りのいろいろな電波を見てみよう」、知能情報工学科の井田悠太准教授の「論理回路を学ぼう」の3つの講義を聴講しました。高度な内容のものでしたが、先生方が分かりやすく説明してくださり、生徒は興味深く聞いていました。高校まで学習してきた内容が基礎となって、大学の研究があることに気が付いたと感想を書いた生徒もおり、自分の学びを振り返る様子も見られました。
今回のセミナーを通して、今後の課題研究のテーマ設定や研究班選びに生かしてもらいたいと思います。
2年理数探究で防災をテーマに研究している地歴公民C班と情報班が山口大学地域レジリエンス研究センターを訪問し、社会建設工学科の鈴木素之教授より「宇部市における自然災害のリスクについて」と題した講義を受けました。講義では、鈴木教授が調査に行かれた令和6年能登半島地震の事例を基に、土砂災害や液状化の仕組み等を教えていただきました。また、災害を受けやすい場所やハザードマップに示されていない危険個所等についても教えていただきました。今後、今日学んだことを基に2班で協力し、宇部市民の皆さんに防災意識を高めていただけるよう探究活動を続けていきます。
放課後児童クラブ「上宇部Go!Go!チャレンジくらぶ」に参加している児童二十数名を対象に、大地震が起きたときにとるべき行動を「周囲に大人がいない時」「登下校中」「入浴中」などのシーン別に話し合う活動を行いました。パワーポイントを紙芝居風に使って言葉とイラストで具体的に状況を説明してきっかけをつくり、その後児童のみなさんに話し合ってもらいました。話し合いでは異年齢の5つのグループに宇部高生が入り、話し合いをサポート。児童たちからは活発に手があがり、様々な意見が出ました。最後に、避難する時の合言葉をグループで話し合い、発表する活動を行いました。上宇部中学校のボランティア生徒も参加し、最後は一緒に合言葉を考えてくれました。上宇部小学校・中学校の児童生徒とは、近くで学んでいても普段、話し合う機会はあまりありませんが、今日は、小学生から高校生まで一緒になって防災について考えることができ、有意義な時間を過ごせたと思います。
4月19日(金)はときわ公園内のときわミュージアムイベントホールに集合し、まずは「自分を知る、仲間を知る」ことを目的としたアクティビティを行いました。続いて、ときわ公園を題材に探究活動の基礎を体験的に学ぶ「クリエイティブリサーチ」を行いました。リサーチでは、初めにときわ公園企画課の大場様からときわ公園の集客の現状と課題についてお話をいただき、その後、季節ごとにターゲットを絞ってときわ公園に集客するための企画を一人一企画提案する準備にとりかかりました。企画書の作成にあたっては、探究学習をサポートする株式会社3inの岩本様から「ターゲットのニーズを明確にする、ゴールは定量的に定める、先行事例を調べる」など課題研究全般においても重要になるポイントを教えていただき、午後は共通の季節をターゲットにする仲間で3~4人のグループを作って、ときわ公園内のフィールドワークを行いました。
4月20日(土)は1日目に作った企画書をもとに各自でプレゼンテーション用のパワーポイントを作成し、班内で発表しました。その後、班代表の企画を一つ選び、最後に班の代表者が全体に向けて自分の企画を発表し、YMFG ZONEプラニングの岩本様から講評をいただきました。
生徒の感想からは、「自分の感じていることをしっかりと言語化して相手にわかりやすく伝えるようになりたい。」「相手を納得させ、自分が満足いく探究活動をしていきたい。」など、このセミナーを通じて、これから始まる探究科での3年間に自分なりの目標をもてたことがうかがえました。